「毎日の朝礼で、指差し呼称のネタがそろそろ尽きてきた…」
「また同じ言葉のくり返しで、みんな形だけになっている気がする」
「工場向けじゃなくて、うちの現場に合う例文が知りたいな」
こういった悩みに応える記事です。
当サイト「ADJUST株式会社」は、土木工事を請け負うプロ集団です。
この記事でわかること
結論からいうと、指差し呼称のネタは「対象」と「状態」をセットで考えると尽きにくくなります。
たとえば、「足元ヨシ!」だけでなく「足元 段差なしヨシ!」のように、何をどう確認するかまで言葉にするのがポイントです。
「毎回ネタを考えるのが大変」と感じている方も多いかもしれませんが、場面ごとの型を知っておけば、その日の作業に合わせて選ぶだけで済みます。
本記事では、現場ですぐ使える例文から、指差し呼称の効果を裏づける根拠まで、わかりやすく解説します。
明日の朝礼から使えるネタを探している方は、最後まで読んでみてください。
目次
毎日の朝礼で指差し呼称を回していると、だんだんネタが浮かばなくなってきます。
まずは、なぜネタ切れが起きるのか、その原因から整理してみましょう。
それでは、詳しく解説します。
指差し呼称のネタが尽きる原因の一つは、毎日同じ言葉をくり返すうちに慣れが生まれることです。
人は同じ動作を続けると、無意識のうちに体が動くようになります。
作業に慣れること自体は悪いことではありません。
しかし、指差し呼称が「いつもの掛け声」になってしまうと、本来の確認の意味が薄れやすくなります。
たとえば毎朝「足元ヨシ!」とだけ言い続けると、口は動いても頭では何も確認していない状態になりがちです。
慣れを防ぐには、言葉のバリエーションを増やしたり、その日の危険に合わせて内容を変えたりする工夫が役立ちます。
ネタが広がらないもう一つの理由は、確認する「対象」だけを言い、「状態」まで言葉にできていないことです。
指差し呼称は、何を確認するか(対象)と、どういう状態かをセットで言うのが基本とされています。
中小建設業特別教育協会の資料でも、「温度ヨシ!」ではなく「温度○度ヨシ!」のように具体的に言うことがすすめられています。
「対象」だけで終わると、使える言葉の数が限られてしまいます。
一方、「状態」まで加えると、同じ対象でも複数のネタが生まれるでしょう。
たとえば、「安全帯ヨシ!」を「安全帯 フックかけヨシ!」に変えるだけで、確認の中身がぐっと具体的になるでしょう。
3つ目の原因は、ネタ出しを担当者まかせにして、現場に仕組みがないことです。
指差し呼称のネタをその場の思いつきで決めていると、いつか引き出しが空になります。
とくに毎日順番が回ってくる現場では、負担が一人に集中しがちです。
そこで役立つのが、あらかじめネタをリスト化しておく方法です。
作業前のKY活動で出た危険ポイントを、そのまま指差し呼称の項目にするのも一つの手といえます。
現場のみんなで少しずつネタを持ち寄れば、個人の負担も減り、内容の幅も広がっていくでしょう。
指差し呼称のネタは、現場や作業内容によって使いやすいものが変わります。
ここからは、そのまま使える例文を場面ごとに紹介します。
それでは、詳しく解説します。
建設・土木の現場では、足場や周囲の安全、退避に関する呼称がよく使われます。
土木作業は、掘削や重量物の移動など、危険を伴う場面が多い仕事です。
作業の要所で確認すべき対象を、状態までセットで言うのがコツになります。
すぐ使える例文を、以下にまとめました。
| 場面 | 例文 |
| 足場の確認 | 足場 固定ヨシ! |
| 周囲の確認 | まわり 人なしヨシ! |
| 退避場所の確認 | 退避場所 確保ヨシ! |
| 掘削まわりの確認 | 法面 崩れなしヨシ! |
| 服装の確認 | 服装 乱れなしヨシ! |
同じ「まわり」でも、「人なし」「車両なし」と状態を変えれば、複数のネタとして使えます。
工場や製造の現場では、機械の操作やフォークリフト、スイッチまわりの呼称が中心になります。
製造現場は、機械の巻き込みや荷物の落下など、思わぬケガにつながる場面が多い職場です。
ボタンやバルブなど、操作前の確認を声に出すと安心につながります。
工場で使いやすい例文は、以下のとおりです。
| 場面 | 例文 |
| 機械のスイッチ | スイッチ OFFヨシ! |
| フォークリフト前方 | 前方 人なしヨシ! |
| 荷の状態 | 荷の安定ヨシ! |
| バルブの開閉 | バルブ 閉ヨシ! |
| 点検前の電源 | ブレーカー 遮断ヨシ! |
フォークリフト運転時は「前方ヨシ!」「後方ヨシ!」「周囲ヨシ!」と、方向ごとに分けて呼称する方法もあります。
朝礼やKY活動では、その日の作業全体に向けた呼称や、服装点検の呼称が役立ちます。
朝礼は、一日の作業前に全員の意識をそろえる大切な時間です。
KY活動で出た危険ポイントを、そのまま呼称に取り入れると効果的でしょう。
朝礼やKYで使いやすい例文を挙げます。
| 場面 | 例文 |
| 服装点検 | ヘルメット あご紐ヨシ! |
| 安全帯の確認 | 安全帯 着用ヨシ! |
| 体調の確認 | 体調 良好ヨシ! |
| 一日の締め | 今日も一日 ご安全に! |
| KYの行動目標 | 落下物注意 声かけヨシ! |
「ご安全に!」は、建設や製造の現場で古くから使われてきた定番の掛け声です。
現場によっては「今日も一日がんばろう!」などに変えて使われています。
高所作業や重機作業では、墜落防止や周囲の安全確認に関する呼称がとくに重要になります。
高い場所での作業や、クレーンなどの重機を扱う場面は、重大な事故につながる可能性があります。
そのため、確認の呼称をていねいに行いたいところです。
高所・重機で使える例文は、以下のようになります。
| 場面 | 例文 |
| フックの確認 | 親綱 フックかけヨシ! |
| 開口部の確認 | 開口部 手すりヨシ! |
| 吊り荷の下 | 吊り荷の下 人なしヨシ! |
| クレーン旋回 | 旋回範囲 人なしヨシ! |
| 玉掛けの確認 | 玉掛け 外れなしヨシ! |
吊り荷の下に人がいないかの確認は、重大な事故を防ぐうえで欠かせない呼称の一つです。
例文がわかっても、動作が自己流だと効果が薄れてしまいます。
ここでは、指差し呼称の正しいやり方を手順に沿って確認しておきましょう。
それでは、詳しく解説します。
指差し呼称の最初のステップは、確認する対象をしっかり目で見ることです。
流れ作業のなかで、なんとなく対象の方向を見るだけでは意味が薄れます。
信号やスイッチ、足場など、確認すべきものを目でとらえるのが出発点です。
対象を明確に見ることで、見落としや思い込みを防ぎやすくなります。
慣れてくると目線が雑になりがちなので、「本当に見ているか」を意識するとよいでしょう。
次に、右腕をまっすぐ伸ばして、人差し指で対象を指します。
このとき左手は腰に当て、背筋を伸ばしてキビキビと動くのが基本の姿勢です。
右手は、親指を中指にかけた「縦拳」から人差し指を突き出すと、指差しが引き締まるでしょう。
指を差した後は、その手をいったん耳元まで戻します。
戻しながら「本当に良いか」を頭のなかで確かめるのがポイントです。
なお、片手がふさがっているときは、無理に指差しをせず呼称だけになる場合もあります。
最後に、「◯◯ヨシ!」とはっきり声に出しながら、手を振り下ろして確認します。
このとき、自分の出した声を耳で聞くことも大切です。
目で見て、指で差して、声に出して、耳で聞く。
複数の感覚を使うことで、確認の精度が高まるとされています。
声を出さず指差しだけにとどめると、効果が落ちるという指摘もあります。
必要以上に大声を出す必要はありませんが、はっきりと呼称するよう心がけましょう。
「指差し呼称って本当に意味があるの?」と感じる方もいるかもしれません。
ここでは、指差し呼称の効果を裏づける根拠を見ていきましょう。
それでは、詳しく解説します。
指差し呼称には、実験でエラーの発生率が下がったというデータがあります。
1994年に鉄道総合技術研究所が行った実験が、よく知られています。
厚生労働省の職場のあんぜんサイトによると、何もしなかった場合の押し間違いの発生率が2.38%、指差しと呼称を共に行った場合は0.38%だったとされています。
この結果は、およそ6分の1の数値です。
ただし、これはボタン操作を対象とした実験室のデータです。
実際の現場では効果の出方に幅があるとされ、必ず同じ割合になるわけではありません。
それでも、指差し呼称が確認の精度を高める手段の一つであることを示すデータといえるでしょう。
指差し呼称が効くとされる背景には、「フェーズ理論」という考え方があります。
フェーズ理論は、橋本邦衛博士が提唱した、人間の意識レベルを5段階に分けた考え方です。
リラックスした状態はミスが出やすく、集中した状態はミスが少ないとされています。
指差し呼称のように、指を差して声を出す動作は、意識を集中した状態へ切り替える助けになると考えられています。
人の集中力は長くは続きません。
だからこそ、危険な作業の前に意識を切り替える一手として役立つといえるでしょう。
指差し呼称は、もともと鉄道の現場で生まれた日本発祥の安全確認法です。
起源については諸説ありますが、国鉄(日本国有鉄道)の蒸気機関車の運転士が、信号確認のために行っていた動作とされています。
目の悪い運転士が、助手に信号を確認させていた動作がもとになったと伝えられています。
その後、鉄道分野だけでなく、建設業や製造業、運輸業など幅広い業界へ広がりました。
長く使われ続けてきた事実は、それだけ現場で役立ってきた表れといえるかもしれません。
最後に、指差し呼称のネタ切れを防ぐためのコツをまとめます。
どれも今日から取り入れやすい工夫ばかりです。
ここでは、以下の3つを紹介します。
それでは、詳しく解説します。
ネタを増やす一番の近道は、「対象」と「状態」をセットで言うことです。
対象だけを言うと、言葉のバリエーションはすぐに尽きます。
そこに状態を加えると、同じ対象でもいくつものネタが生まれます。
たとえば「足場」という対象に対して、「固定ヨシ!」「すき間なしヨシ!」「ぐらつきなしヨシ!」と広げられます。
呼称の中身が具体的になるほど、確認の意識も高まりやすいでしょう。
まずは、いつもの呼称に一言足すところから始めてみてください。
指差し呼称のネタは、その日の作業内容に合わせて選ぶのがおすすめです。
毎日同じ呼称をくり返していると慣れが生まれ、確認の意味が薄れやすくなります。
一方、作業に応じてネタを変えれば、内容が自然と新しくなります。
高所作業の日は墜落防止、掘削の日は法面の確認、といった具合です。
朝のKY活動で出た危険ポイントを、そのまま呼称に取り入れる方法も役立ちます。
その日の危険と呼称がつながれば、形だけの唱和になりにくくなるでしょう。
マンネリ対策として、安全唱和やタッチアンドコールと組み合わせる方法もあります。
タッチアンドコールは、チーム全員で手を重ねたり組んだりしながら声を出す方法です。
指差し呼称が一人ひとりの確認であるのに対し、タッチアンドコールはチームの一体感を高めることを目的としています。
役割が違うため、両方を取り入れると場に変化が生まれます。
朝礼の締めに全員で「今日も一日ご安全に!」と唱和すれば、気持ちもそろいやすいでしょう。
「毎日の指差し呼称、ちゃんと安全につながっているのかな…」
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恥ずかしさを感じるのは自然なことですが、できれば声を出して行うのがおすすめです。
指を差して声を出す動作に、照れくささを感じる人は少なくありません。
実際、業界団体の資料でも「恥ずかしさを吹っ切るために大きな声で行う」とすすめられています。
声を出さず指差しだけにとどめると、効果が落ちるという指摘もあります。
まずは朝礼など、みんなで一緒に声を出す場から慣れていくとよいでしょう。
その現場の危険ポイントに合わせて、短く具体的に決めるのがコツです。
標語は、長い文章よりも、パッと口に出せる短い言葉のほうが定着しやすいです。
朝礼やKY活動で出た「その日の危険」を、そのまま言葉にする方法もあります。
たとえば落下物が多い現場なら「頭上注意 ヨシ!」のように、危険と行動をセットにします。
現場のみんなで話し合って決めると、自分ごととして意識しやすくなるでしょう。
声に出すかどうかで区別されることがありますが、同じ意味で使われる場合も多いです。
「指差し呼称」は、指を差して「◯◯ヨシ!」と声に出す動作を指します。
一方「指差し確認」は、声を出さず指差しだけを指す場合もあれば、呼称を含む同じ意味で使われる場合もあります。
現場によって呼び方はさまざまです。
大切なのは呼び方よりも、目・指・声・耳を使ってしっかり確認する中身のほうだといえるでしょう。
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