2024.02.10
「1級と2級土木施工管理技士って何が違うの?」
「現場ではどんな役割に違いがあるの?」
「いきなり1級に挑戦してみたい!」
こういった疑問お悩みにお答えします。
土木施工管理技士とは、施工管理に関わる国家資格のひとつで1級と2級があります。
1級は2級に比べ難易度が高く、より高度な資格です。
では具体的に違う点はどこなのか、本記事では以下について解説します。
違いが分かると、あなた自身の受けるべき級数が分かり迷いなく勉強にとりかかれるでしょう。
ぜひ最後までお読みください。
目次
土木施工管理技士とは建設業法で定められた国家資格のひとつで、土木工事の施工管理を行ううえで必要となる資格です。
土木施工管理技士が行うべき管理には、主に以下があります。
施工管理の役割 | 内容 |
工程管理 | 工期を把握し、全体の作業の進め方や進捗を管理 |
品質管理 | 現場の作業が、設計書や図面どおりに行われているか管理 |
安全管理 | 危険行為や労働災害防止など現場内全体の安全に関わる管理 |
原価管理 | 材料費や労務費といった工事にかかる費用の管理 |
これらを合わせて「4大管理」とも呼ばれ、現場を管理していくうえでは必要不可欠な要素です。
そのため、現場監督者は土木施工管理技士の資格取得が必要になってくるのです。
では実務において1級と2級土木施工管理技士で何が違うのか、以下の3つが挙げられます。
詳細について解説していきます。
結論からいうと、2級土木施工管理技士は「主任技術者」までですが、1級は「監理技術者」になれます。
これだけ聞くとあまりピンとはこないと思いますので、下表を参照ください。
項目 | 内容 |
主任技術者(2級取得者) | どの工事現場においても必ず配置が必要 |
監理技術者(1級取得者) | 下請金額4,500万円以上の工事現場で配置が必要
主任技術者としての役割も可能 |
現場において、下請金額4,500万円をさかいに主任技術者なのか監理技術者の配置が必要なのかが決まり、1級取得者だけが監理技術者を担えます。
高度な知識と経験が必要な監理技術者は、おのずと大規模工事を担当できるわけです。
一方で主任技術者は、小規模な工事現場しか担当できません。
公共工事といった4,500万円以上の大規模工事には監理技術者が配置されるため、企業の信頼を得るためにも積極的に1級取得を目指すべきといえるでしょう。
「そもそも施工管理技士っていくらもらえるの?」
といった疑問のために、まずは土木施工管理技士の年収がいくらぐらいなのか調べてみたところ、平均年収は約472万円(参照:土木施工管理の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)(2024年1月現在))ほどです。
そして収入が大きく変わる部分は、会社で支給される資格手当の部分になってきます。
支給額は企業によって変わりますが、1級取得者で約5,000円~20,000円が相場です。
一方で、2級取得者は約1,000円~5,000円ほどです。
年収を30万円とした場合のそれぞれの収入を比較すると、以下の違いがあります。
取得資格 | 月収 | 年収 |
1級(上限20,000円で計算) | 320,000円 | 3,840,000円 |
2級(上限5,000円で計算) | 305,000円 | 3,660,000円 |
差 | 150,000円 | 180,000円 |
年収にして約180,000円1級取得者の方が高くなります。
この額だけ聞くとそんなに高くないと思われてしまうかもしれませんが、企業によっては賞与や退職手当にも反映されます。
また昇給もしやすいので、生涯年収で考えるとこれ以上の収入アップも期待できるでしょう。
2級でも資格手当を支給する企業は多いので、まずは2級合格を目指して、それから1級を目指すといった手もありです。
1級土木施工管理技士を取得していると、昇進しやすくなるでしょう。
なぜなら1級の取得が高度な知識や技術を取得しているという証明になるから。
課長クラスが2級しか持っておらず、係長クラスが1級を持っているって違和感がありますよね。
一時的にはあり得る事象かもしれませんが、昇進を目標とするのであれば1級土木施工管理技士を取得すべきであるといえます。
出世スピードが上がれば、もちろん給与面も良くなりますよ!
「受験する場合の違いについて教えてほしい」といった方もいると思いますので、受験時での1級と2級土木施工管理技士の違いを比較してみました。
■1次検定
級数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 解答方式 | 問題数 | 試験日 |
1級※1 | 38,672名 | 21,097名 | 54.6% | 四肢択一のマークシート | 96問中65問を解答 | 7月頃 |
2級(土木)※2 | 27,461名 | 17,565名 | 64.0% | 四肢択一のマークシート | 61問中40問を解答 | 前期:6月頃
後期:10月頃 |
■2次検定
級数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 解答方式 | 問題数 | 試験日 |
1級※1 | 24,462名 | 7,032名 | 28.7% | 記述式 | 大問1~11のうち7問を解答 | 10月頃 |
2級(土木)※2 | 32,351名 | 12,246名 | 37.9% | 記述式 | 大問1~9のうち7問題を解答 | 10月頃(1次検定後期と同日に実施) |
(※1参照:1級:国土交通省「令和4年度 1 級土木施工管理技術検定「第二次検定」の合格者の発表」)
(※2参照:2級:国土交通省「令和4年度 2級土木施工管理技術検定 「第一次検定(後期)」及び「第二次検定」合格者の発表」)
1級と2級どちらも1次と2次検定があり、1次検定に合格しなければ2次検定は受けられません。
2次検定は記述問題と経験記述があるため、合格率をみてわかるとおり難易度が格段に上がります。
また令和6年度の改定より、1次検定の受験資格が学歴や実務経験年数を問わなくなりました。(参照:国土交通省(令和6年度以降の技術検定制度概要(改正概要))
そのため「実務経験はまだ満たしていないから2次検定だけ受けよう」といった選択肢も可能です。
ほかに2次検定の改定もされていますので詳しい受験資格要件は「全国建設研修センター公式サイト」で確認してください。
誰でも受けやすい体制に変わりつつありますね!
試験日は、2級と違って前期に1次検定、後期に2次検定と2日に分けて実施します。
理由は2級に比べて問題数が圧倒的に多いためです。
2級と比べると問題の難易度というよりかは、問題数が多いといったイメージです。
2級の場合、受けられる項目が3種類あり「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」があります。
試験日は、1次検定のみ受ける場合、前期と後期の2回行われます。
どちらか一方を受けましょう。
またADUST株式会社では、無理なく仕事と勉強が両立できるような資格取得支援を整えています。
「仕事しながら勉強時間の確保なんてできない・・・」といった不安も弊社なら安心です。
そのためこれから取得を考えている方も、まずは気軽にADUST株式会社へお問い合わせください!
勉強時間は実務経験年数や受験回数によって異なりますが、2級で約300~400時間、1級で約500~700時間の確保が必要です。
たとえば1級土木試験の勉強を4月から始めて10月(7ヵ月間)に受験する場合でみてみましょう。
700時間÷7ヵ月=100時間
100時間÷30日/月=3.3時間≒約3.5時間/日
1日3時間半は勉強しなければ700時間には到達しません。
これを毎日だと仕事もあるので、現実的ではありませんよね。
そのため、休日に多く勉強時間を割くか早めに取りかかりましょう。
「今から勉強しても間に合わない!」という方は効率的な勉強法がありますので、詳しくは本記事内の「いきなり1級土木施工管理技士を受ける場合の勉強法」を参考にしてみてください。
「2級を持ってないけど、いきなり1級土木施工管理技士を受けることは可能?」といった疑問もあるのではないでしょうか。
結論からいうと不可能ではありません。しかし、傾向と対策を講じていない状態での1発合格はかなり難しいでしょう。
そのため以下の勉強方法をおすすめします。
これらを駆使すれば1級土木施工管理技士合格も夢ではありませんので、詳しくみていきましょう。
勉強期間やスケジュールを立てておくと、効率的に勉強がはかどります。
たとえば平日は1日1時間、休日は1日4時間など目標を決めておきましょう。
目標を持たずに漠然と続けていると、最終的には断念しかねません。
勉強は大変ですが取得した資格は一生ものです。だからこそ積極的なチャレンジが必要です。
独学が不安であれば、資格講座を受けてみることもひとつです。
オンライン講座であれば、動画で確認できたり講師が付いて教えてくれたりします。
効率的に勉強ができるため、試験日まで期間がない場合にも有効です。
金額は独学に比べると高額にはなりますが、1発合格の確率は上がります。
1級を取得できれば収入アップにもつながるので、長期的にみても十分費用対効果は高いといえます。
1級土木の受験を経験している上司や先輩に相談したうえで、アドバイスをもらうこともひとつです。
とくに経験記述では答えがひとつではない問題が多く、解答の可否は試験官の裁量が大きく左右される場合があります。
また実務経験を文章で表現する施工経験記述においては、経験豊富な上司や先輩だと数字や表現方法などちょっとした違和感に気づいてくれます。
そのため、1級土木の受験を経験している上司や先輩に文章を添削してもらいましょう。
1級と2級土木施工管理技士の違いについてよくある質問をまとめてみました。
それぞれの回答を見ていきましょう。
2級取得は必須条件ではないため、受験資格要件さえ満たしていれば1級への受験は可能です。
2級はないけど、1級は持っているという土木従事者もいます!
ただし2級の試験を受けた経験がないと難易度は格段に上がりますので、不安な方は2級の取得からおすすめします。
詳しい勉強法は本記事内の「いきなり1級土木施工管理技士を受ける場合の勉強法」で解説しています。
2級を取得しておけば1級を受ける場合の受験資格要件が有利になりますので、取得しておいて損はないでしょう。
いくら経験があっても一夜漬けは難しいといえます。
一番の要因は2次検定の施工経験記述問題でしょう。
なぜならどの4大管理が出題されるか分からず、すべての記述内容を覚えておく必要があるから。
端的にいうと、暗記だけでは対策しようがないということです。
よって、合格するなら早いうちに勉強の計画を立てるようにしましょう。
1級は基本的に2級より問題数が多くなっただけなので、十分に合格できるでしょう。
全く傾向の違う問題が出題されるわけではなく、基本的に2級の問題数より多くなったものが1級といったイメージで大丈夫です。
とはいえ記述問題は、試験官が厳しく採点しているかもしれません。
怠らずにしっかり試験対策を行いましょう。
ADJUST株式会社は、土木に興味がある方を募集しています。
弊社で行っている取り組みとしては、以下です。
このように女性にとって働きやすい労働環境を整えています。
一度「ADJUST株式会社」へ問い合わせたうえで、考えてみる形でOKです!
指定請求書
弊社への請求書につきましては、Excel形式の請求用紙をご用意しております。
下記の指定請求書をダウンロードいただき、ご使用ください。